想定してほしいこと

北朝鮮のミサイル発射について、日本政府はその脅威を認識していて、Jアラートで一早くミサイル発射を国民に知らせたり避難訓練をしたりしています。そのミサイルが原発を標的としているかもしれないというのは想定しなくてもよいのでしょうか。
3年ほど前に、国会で山本太郎議員が「ミサイルが原発に打ち込まれたらどう対処するのか」という質問をしたことがあります。それに対して、「そのような事態は原発の設置者に対策を求めていない」と、当時原子力規制委員会の田中俊一委員長は答弁しました。
このことについては意見が分かれているようです。北朝鮮の弾道ミサイルは日本の原発にピンポイントで着弾するほどの精度はなく、仮に原発にミサイルを撃ち込んでも戦術的に意味がないし、ダム、堤防、原発という危険施設への攻撃は戦時国際法違反になるというものです。つまり、原発にミサイルが撃ち込まれた場合の想定がなくてもいいということです。
しかし、軍事的知識の乏しい私には”想定する必要はない”といわれても不安はありますし、福島第一原発事故では、想定する必要のなかったはずの”全交流電源喪失”が実際に起きて過酷事故に至っています。また、日本が敵地をピンポイントで攻撃できる巡航ミサイルを配備する計画を持っている以上、”敵国”もまた同様に配備するということも想定しなくてはならないと思います。まずは想定してみて、どのように対処するかという説明が欲しいところです。
”想定する必要はない”という意見よりも”想定してみる”という方が誠意を感じます。それを「想定してみた」という動画がありましたのでご紹介します。これは「ミサイルと原発」という動画で、高浜原発3、4号機差止仮処分申請の証拠資料映像として、河合弘之弁護士が作成されたものです。

「原発は自国にのみ向けられた核兵器」
「敵国のために用意した核弾頭」
という言葉が印象的でした。