3月に入り、温かいポカポカした陽射しが降り注ぐ日が、だんだんと多くなってきましたね。
待ちに待っていた今年の春がもうここにいます。自然は絶えず動いていて、春は必ず巡ってきます。
私たち人間も大自然の一部なので、体も心も魂も絶えず動き変化をしています。より良い方向へと変化していきたいと思いませんか?
「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎著)の本は、1937年7月に発行されたものですが、現在注目され、若い人たちの間で読まれています。
主人公は中学2年生のコペル君。内容は、彼が中学1年生の時に経験をしたこと、経験をもとに考えたこと、さらにコペル君の考えを聞いての叔父さんの思いと 考えがテーマごとに書かれています。その一つ一つが心の奥に染み入り感動を与えてくれます。
その中から叔父さんの考えを一つ紹介します。
人間が本来人間同志調和して生きてゆくべきものでないならば、どうして人間は自分たちの不調和を感じることができよう。お互いに愛しあい、お互いに好意をつくしあって生きてゆくべきものなのに、憎しみあったり敵対しあったりしなければいられないから、人間はそのことを不幸と感じ、そのために苦しむのだ。また、人間である以上、誰だって自分の才能を伸ばし、その才能に応じて働いてゆけるのが本当なのに、そうでない場合があるから、人間はそれを苦しいと感じ、やり切れなく思うのだ
人はどのような時に、心から幸せと思えるのでしょうか?
それは宇宙の愛と光、平和の波長と自分の中が調和した時です。
本来私たちは、精神宇宙が持つ本質、愛そのものなので、そこから離れていくと苦しくなるのです。喜びの心で生きるには、私たちの心の中の愛を深めていくこと、そして共に生きている人と互いに尊重しあうこと、自分の持つ特質を生かして人を幸せにすること、などが大事なのでしょう。
コペル君は最後に次のように言っています。
僕は、すべての人がおたがいによい友だちであるような、そういう世の中が来なければいけないと思います。人類は今まで進歩してきたのですから、きっと今に、そういう世の中に行きつくだろうと思います。そして、僕はそれに役立つ人間になりたいと思います。
私は、80年前に出版されたこの素晴らしい本が、現代の若い人たちに読まれているということに、希望を見出しています。これを読んだ人たちが、生きる上で何が大事かを自分自身の頭で考え、暖かな愛のある社会をめざして働いてくれると思うと、ワクワクします。
さあ、私たち大人たちも一緒に、愛のある優しい社会、そして世界をめざし、そうなることを信じて、明るい光に向かって生きていきませんか。
2018年 3月 鴨川美津恵
画像出展:楽天ブックス