住職さんの歌(お話)

8月も後半になりますと、日中の暑さはまだまだですが、朝夕の外気は日に日に涼しくなっています。秋はもうそこまで来ています。

皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。

さて、今回は友人から教えてもらった、寺の住職さんの歌を紹介します。愛媛県今治市在住の薬師寺寛邦さんがリーダーで、お寺ライブを行う”キッサコ”というグループの歌です。グループ名のキッサコ(喫茶去)は、仏教用語で「お茶でも飲みながらゆっくりしてください」という意味です。その”キッサコ”の歌う『手』の歌詞の一部を書いてみます。

あなたに手紙を書く時、この手でペンを取る

あなたの声が聞きたい時、この手で電話をかける

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つながるために、つなげるために、この手はあるんだよ

だから決してこの手で、傷つけあったりしてはいけないんだよ

手を取り合うんだよ

・・・・・・・・・

支えるために、助けるために、この手があることを教えてくれていたあなたに

もしも辛いことがあったら、この手をさしのべるよ

・・・・・・・・・

そのことをこれからの道で分かち合うために

あなたと共に生きていきたい

もう その手を離さない

私が生まれた時、その手で守られていたから

私のいのちが終わる時も、その手に抱かれていたい

私はこの歌から、愛と優しさと平和を感じ、感動し幸せな気持ちになりました。私たちはこの世に生まれた時に、いのちと一緒に、たくさんのものをいただきました。その中の一つである手で、人とつながり、支えあって一緒に幸せになる。さらに、暖かな心、やさしい言葉、笑顔と親切な行い、そして愛のある祈りなどで人を幸せにできるのです。

私たちの本質は“愛と光”なので、きっとそうすることが、一人一人の真の幸せだと信じます。また、私たちの肉体が今回のお役目を終える時には、大きな愛の手でしっかりと抱かれていると思うので、安心ですね。

自分の中の本当の自分に気付かせてくれる歌や音楽や絵画、そして本や映画などの芸術は、人を通しての、神様からの愛いっぱいのプレゼントだと思います。感謝します。

これからも私たちは、与えられた人生を、手をつないで支えあって愛し合っていけたらと思います。人生という冒険旅行は、大変なことがいっぱいだけれど、みんなで一緒に歩めば、きっと恐いものなしですよ。

2018年 8月   鴨川美津恵