2017年 春のたより
えんどうまめの仲間のみなさまへ
新しい年度になりました。桜の季節が過ぎ新緑に包まれて命が躍動する五月です。
みなさん、お元気ですか?いつもあたたかいご支援をありがとうございます。
2月21日から25日まで、5年ぶりにキエフを訪問し、「ゼムリャキ」のみなさんや「ウクライナドゥルージバ」のマクハ先生やビクトル先生、マリア先生やワジム先生やペトロさん、美しく成長したナイチンゲール合唱団のアーニャやレーナやワーリャやリーザに会ってきました。キエフのみなさんから、日本のお友だちのみなさんによろしくお伝えくださいとのことでした。
2017年4月 チェルノブイリと福島に心寄せる集い
4月23日(日)13時半から宇部ときわ湖畔ユースホステルにおいてチェルノブイリと福島に心寄せる集いを開催しました。
第1部は、私のキエフ訪問報告とこの春3年ぶりで山陽小野田市に戻ってきた春木英治さんの南相馬滞在報告。第2部は佐藤華純(さとうかずみ)さんによるソプラノコンサートでした。
第1部の私の報告はキエフ訪問リポートをご覧ください。春木さんの報告については、HPに掲載していただきます。また5/29(月)に詳しい報告会も行いますのでどうぞ聞きにきてください。
第2部のコンサートは32歳の若くて明るい佐藤華純さんが、あたたかくて心にしみる歌と楽しいおしゃべりで参加者を癒してくださいました。ピアノ伴奏の蘆田育子さんは目の手術を控えて不自由な状態でしたのに愛に満ちた素晴らしい演奏で私たちの心を一つにしてくださいました。演奏曲目は『糸』・『Ombra mai fu(懐かしい木陰よ)オペラ“セルセ”より』・『いつも何度でも~』・『O mio babbino caro(お父さまにお願い)』・『You raise me up』の5曲。その後みんなで『365日の紙飛行機』・『花は咲く』を歌いました。
福田記子さんと鴨川美津惠さん山下優子さん作のお菓子のバザーと珈琲喫茶コーナーを設けました。すべての売り上げと会場募金の合計は66,866円でした。みなさんのご協力に心から感謝いたします。
2016年度の活動
★2016年度会計報告は別紙をご覧ください。
①『チェルノブイリ30周年・福島5周年 被災されたみなさんに寄り添って 三隅真実&香織Heart to Heart concert』 4月17日(日)ユース
②『ケニアキベラスラムの寺子屋マゴソスクール応援交流会』6月1日(水)ユース
マゴソスクール創設者リリアンさんと教頭のオギラさんとマゴソスクール支援者早川千晶さんとマゴソスクールを支える会の大城研司会長を迎えて。
③『ゼムリャキとマゴソスクール支援フリマ』9月12日(日)ときわ公園
④『マゴソスクール応援交流会』10月11日(火)ユース
⑤『Autumn concert for zemryak & magososchool』11月20日(日)ユース
ヴァイオリン本橋はる子さんとピアノ奥村友美さんによるチャリティコンサート
⑥『眞こころ』へのお米みかんギフト
★HP内の「支援の歩み」から、詳細な内容を確認できます。
2017年2月キエフ訪問リポート
通訳の竹内高明さんとともに5年ぶりにキエフを訪問しました。日本の援助を受けてボリスポリ空港は見違えるほどきれいになっていました。しかしロシアとの戦争中のウクライナにはインフラ整備の余裕がないようで道路はひどい状態で、物価も上がり生活は苦しくなっているようでした。
「ゼムリャキ」訪問
5年前、事務所の移転先として地区行政に提供された現事務所を見せてもらいました。電気も水道も下水もないボロボロ数部屋でした。その後松岡彰先生と「えんどうまめ」の支援で改装し、今はとてもきれいな事務所として被曝者のみなさんが集う場所になっていました。また、支援してくださっている「日本ヨガ療法学会」が奥の広い部屋の改修費用を提供され、ヨガや大人数の集会ができる部屋ができていました。詳しい写真はえんどうまめのHPをご覧ください。「ゼムリャキ」では、活動と会計について詳しく尋ね、数人のメンバーから現状を伺い、マッサージをさせてもらいました。「ゼムリャキ」は11月に30周年を迎えます。この30年間プリピャチで被曝した人たちが「ゼムリャキ」を通して支え合い希望を持って生きて来られたことを、大変尊く感じています。また、日本のみなさまのおかげで「えんどうまめ」が「ゼムリャキ」の素晴らしい活動を応援させていただいていることも、ほんとうにありがたいことだと心から感謝しています。
「ゼムリャキ」の活動
- 各種教室(手芸・音楽・絵画・英語・ヨガ)の開催。
- 「チェルノブイリから平和を!」プロジェクトー毎年4月、デスニャンスキー地区(約37万人)の小中学校に環境と平和をテーマの絵画・詩・作文のコンクールへの参加を呼びかけ、優秀作品の表彰と庁舎での展示を行う。
- SOSプログラムー緊急支援を要する生活困窮者のサポート。現在対象者26人。
- 障がい児支援プログラムー障害を持って生まれた子どもたちへの支援。現在対象児17人。ダウン症・脳性麻痺・形成異常・腎臓心臓病・てんかん他
- 寡婦・事故処理作業員・障碍者の日のプレゼントー現在対象者740人。それぞれ年1~2回
- 子どものための集いークリスマスやアニメの上映会など。お菓子のプレゼント。約100人。
- 医薬品援助―ロンドンやドイツから医薬品限定の支援がある。
- 寡婦の集いー毎月1回。プリピャチで被曝し、その後も原発職員として働いた夫たちは早く亡くなることが多く、毎年寡婦となる人が増えている。毎月集まり、お茶を飲み語り合って前向きに生きる力をもらっているとのこと。
「ゼムリャキ」の会計
収入
①寄付金 「えんどうまめ」1万㌦(26万グリブナ)その他不定期(ヨガ・チェルノブイリ救援中部他)
②医薬品限定寄付
ロンドンやドイツの2団体から不定期支出
①家賃公共料金(水道光熱費他)
②医薬品
③給与(事務2人・マッサージ師・運転手)月額5500グリブナ
④その他(税金・電話・保険・ガソリン・インターネット・警備他)
- 現在は「えんどうまめ」からの年間1万ドルの支援で団体を維持する経費をまかなうことができている。
- 代表と会計給与(2800グリブナと2000グリブナ)は支給されたことにして「ゼムリャキ」に寄付しているとのこと。 1ドルは26~27グリブナ。
会計のリュドミラーさん(左)と代表のタマーラさん
ウクライナドゥルージバ
ナイチンゲール合唱団のマリア先生が勤めるキエフ第29音楽学校に「ウクライナドゥルージバ」のみなさんが集まってくださいました。合唱団のコンサートの後、子どものお母さんたちの手作り料理をいただきながらいろいろな話を聞きました。ワジム先生が「ロシアとの戦争で多くの若い命が犠牲になっているし、ニュースも暗いことばかりでどうなっていくのだろう」と嘆かれました。するとビクトル先生が今は試練の時だから絶望せずできることをして乗り越えて行こうと励まされました。このやり取りに、ウクライナの状況がよく表れていると感じました。日本もある面では同じだと私は話しました。困難な状況下だからこそ、希望を持ってつながり、諦めずに前進したいと。
それぞれの日本の思い出の中で、普通の人たちのまじめな働きぶりと笑顔、ゴミのないきれいな街、古いものを大切にしながら近代的でもある日本のすべてから強烈な印象を受けたとのことでした。10代で日本に招かれ、大きな目的を持ったコンサートや交流を1か月続けた合唱団のお嬢さんたちは、それぞれに深い印象を受けながらその後の人生をしっかりと生きていました。立派な社会人となったお嬢さんたちと会えてほんとうに嬉しかったです。
2017年度の活動予定
平和を願って長年一緒に歩んできたみなさんと、今年もまごころ込めて活動していきたいと思います。どうぞ応援してください。すべて入場無料、会場でお気持ちをご寄付ください。
- チェルノブイリと福島に心寄せる集い 4/23(日)13時半からユースホステルにおいて行いました。
- マゴソスクール応援交流会 5/18(木)19時からユースホステルにおいて、マゴソスクールのダン校長先生とオギラ教頭先生と早川千晶さんと大城研司さんをお迎えして、マゴソスクールについて話していただき交流します。
- 語る会「福島原発除染作業員・南相馬市除染対策課職員としての3年間を振り返って」 5/29(月)10時からユースホステルにおいて、春木英治さんのお話を聞きます。福島での3年間、私たちが知らない被災地について聞かせていただきます。
- マゴソスクール応援交流会 10/5(木)19時からユースホステルにおいて、マゴソスクール応援団のマサイ族のジャクソンさんと奥さんの永松真紀さんをお迎えして、マサイのお話やマゴソスクール支援の状況をお話ししていただきます。
- チャリティーオータムコンサート 日時未定 後日ご案内します。
ホームページのお知らせ
長い間事務局としてHPを作ってくださっていた春木英治さんに代わって、31歳の山下優子さんがHPを担当してくださいます。春木さん、ほんとうにありがとうございました。
新しいHPは5月中旬頃には公開されます。春木さんには3年間の福島での体験などを連載していただきますのでどうぞご覧ください。
HPを通して、平和を願う日本中のみなさんと出会い、それぞれにいただいたお役目をまごころこめて果たしていくエネルギーを分かち合えればと思います。HPでみなさんの思いをお聞かせください。楽しみにしています。
HPの内容は次のようなものです。①行事案内 ②行事報告 ③えんどうまめの仲間からのメッセージ ★藤本幸枝さんのエッセイ ★鴨川美津惠さんの『心が元気になるちょっといいお話』 ★春木英治さんの福島リポート ④リンク(マゴソスクールを支える会・プリピャチドットコムなど) ⑤その他 安全なお米の産直会「SRC」の紹介他
ご寄付について
ご寄付は同封の振込用紙かゆうちょ銀行口座15500-30097001 ヘイワヲネガウクサノネグループエンドウマメにご送金ください。ご寄付の使途についてご希望があればお書きください。金額はいくらでもよろしいですので、どうぞあたたかいお気持ちをお寄せください。
みなさまのご健康とお幸せを心込めてお祈りしています。
平成29年皐月吉日 平和を願う草の根グループ「えんどうまめ」代表石川悦子