皆さん、こんにちは。春の桜の時期はあっという間に過ぎ、今はツツジや牡丹の花などが美しく咲き誇り、紫陽花は小さな蕾を付け始めています。大自然は元気よく、いつものように巡っています。
しかし、人間社会は新型コロナウィルスの蔓延でいろいろなことがストップし、私たちは人が集まるところには行けず、家の中にいる時間が多くなっています。私たち人類はこれまで走りすぎた日々だったので、今は人としてあるべき姿をもう一度ゆっくりと考える時なのかもしれません。一日も早くコロナウィルス騒動が収まり、世界全体に平和が訪れますように、愛を込めて祈ります。私たちは根っこでつながっている存在なので、会えなくても心はいつだってつながっているから、大丈夫です。少し寂しいですが、これからも連絡を取り合って、支えあって、愛し合っていきましょう。
ところで、今回もマルクス・アウレリウスの「自省録」からお伝えします。マルクス・アウレリウスは西暦121年生まれの第16代ローマ皇帝です。哲人皇帝と言われ、「自省録」には自分の内面を見つめ自分を律する言葉が書かれています。
「お前自身には成し遂げ難いことがあるとしても、それが人間に不可能なことだと考えてはならない。むしろ、人間にとって可能でふさわしいことであれば、お前にも成し遂げられると考えよ」
彼はどんなに大変なことであっても、自分だけが初めて経験することではなく、先人が乗り越えてきたことであるならば自分にも乗り越えられるはず、と自分に言い聞かせました。
「この上なく立派に生きること、この力はもしも善悪無記のものに無関心であるならば、魂の中にある」
善悪無記のものとは、それ自体では善でも悪でもないものです。たとえば、財産、地位、成功、容姿、健康、過去、未来などです。それに徳が伴えば善となり、徳が伴わなければ悪となり不幸になることがあります。善悪無記のものに執着することなく、自分の中の愛と慈悲の心に従ってそれを活かせば、より良い人生を送ることができます。つまり、私たちにとって一番大切なものは、私たちの内にあるのです。
現在新型コロナウィルスの蔓延で日常生活が停止しています。私たちはこの困難にどのように向き合い、どのように対応していけばいいのでしょうか。
先ず心の面を考えると、私たち人類は傲慢な思いを捨て、人は大宇宙の調和の中で生かされていることにしっかりと気付き、それに感謝することが大事なのではないでしょうか。そして、マルクス・アウレリウスが言っているように、先人たちがたくさんの困難なことを乗り越えてきたように、今を生きる私たちも必ず乗り越えることができると信じ、希望を持つことです。また、一日も早く世界中に平和が訪れるように、みんなで一緒に強く祈ることも力になります。「念ずれば花開く」です。
次は行動の面です。自分だけのことを考えるのではなく、全体のことを考えて、新型コロナウイルスに感染しない、感染させない行動が大事だと思います。
自分の置かれたところで一人一人が最善を尽くし、希望を持って、愛を込めて、みんなで一緒にやっていきましょう。
明るい夜明けは必ずやって来ます。
2020年 4月 鴨川美津恵