語ることよりも行なうこと(お話) 

私は縁あって今年の4月から宇部ときわ湖畔ユースホステルのマネージャーを引き受けました。このユースは、宇部市の常盤公園の中にあり、41年前に宇部市が誘致したものです。建物は日本ユースホステル協会の所有です。

昨年秋に前のマネージャーさんから委託の話があったとき、私の役目かどうか悩み考えました。平和を願って出来ることをして生きることが、私の役目だと思ってきました。

娘として、嫁として、妻として、6人の母として、宇部という市の恩田という地域で、子育てしながらできることを、心込めてさせていただいてきました。その歩みの中でえんどうまめが生まれ、仲間と一緒に、さまざまな国や人に関わってきました。
中でも被爆国として、チェルノブイリ原発事故の被曝者に寄り添うことは、私たちの重要な使命だと感じてきました。

1992年にウクライナに直接支援を始めて依頼、私は毎年一年がかりでその年の援助のための企画を準備してきました。終わればすぐに次の準備を始めるという具合で、立場によって与えられたもの以外の余分なことをする余裕はなかったのです。

昨年秋のキエフ・ナイチンゲール合唱団のコンサートツアーの間中、ユースが私の役目かどうかを確認したくて祈り求めました。そしてその結果、平和のための大きな家をお世話させていただこうと決めて、引き受けました。

旅の人も、合宿の若い人たちも、私が企画する教室に通う人たちも、友人たちが企画した集いに来る人たちも、みな、平和のための大切な人たちです。ユースに来られた人たちが、大きな家に迎えられたように安心して、幸せな時間を過ごしてくださるように、私は心込めてお世話させていただいています。

平和のために、私に与えられた新しいお役目です。平和をいくら語っても、平和は実現しません。でも、平和な心で、お互いを大切にしあうなら、きっといつか新しい世界が生まれることでしょう。

行うことが大切。掃除でも、草取りでも、食事を作ることでも。心を込めて、祈りを込めて行うことが、私たち一人ひとりを高めてくれるように思います。

来年は山口国体。再来年にはまた、キエフナイチンゲール合唱団を招聘し、コンサートツアーができたらいいなと思っています。たくさんの人のあたたかい思いが集まれば、良いことならきっと実現すると信じています。

祈りながら、私の役目を今日も明日も明後日も果たして行きたいと願っています。

平成22年10月20日 えんどうまめ代表 石川悦子