◇事故収束に向けた道筋(ステップ2)完了
政府・原子力災害対策本部は、平成23年12月16日、福島第一原発の原子炉が冷温停止状態(原子炉、格納容器内の温度が循環水冷却によって100度以下に保たれる状態)に達し、安定状態に至ったと判断しました。また、燃料プールもより安定的に冷却できるようになり、ステップ2完了が確認されました。これを受けて避難区域の見直しが検討され、4月16日、南相馬市では、警戒区域の小高区と市の北西部の一部が「避難指示解除準備区域」となり、西部の一部が「帰還困難区域」と「居住制限区域」に指定されました。
これは放射線量の高さの違いで指定されたもので、高い順に「帰還困難区域」>「居住制限区域」>「避難指示解除準備区域」となります。
20km圏内にある南相馬市小高区は大部分が「避難指示解除準備区域」となりました。これは文字通り、「避難指示」が「解除」されるまで「準備」をしておく「区域」です。帰還困難区域とは違って、数年後には帰還できる見込みがあるということで、除染などの環境整備を進めていくことになったのでした。
◇各用語の説明
「帰還困難区域」とは、放射線の年間積算線量が50ミリシーベルトを超えており、5年を経過しても20ミリシーベルトを下回らないおそれのある地域をいいます。立ち入りも宿泊もできず、事業も営農もできません。
「居住制限区域」とは放射線の年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、引き続き避難の継続を求める地域のことをいいます。立ち入りはできますが、宿泊はできず、事業も例外を除きできず営農もできません。
「避難解除準備区域」とは放射線の年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実であると確認された地域のことをいいます。立ち入りも事業も営農も可能ですが、宿泊はできません。
コメント
今日(3.11)は お話をありがとうございました。『あらかぶさん』のこともあり、作業者さんの今後の健康が気になります。急性・慢性症状と人さまざまですが、熊本県は日光も強いと思いますので、どうぞ、日焼け対策は しっかりとされますように。次回もお話をお聞きでますよう、私も過ごしたいと思っております。お大切に。
松井様
本日はようこそお越しくださいましてありがとうございました。
南相馬市で感じたことは、避難エリアの違いによって賠償金に大きな差が生じ、それが人間関係に影響を及ぼしているということでした。原発は作る前も、事故を起こした後も人々を分断してしまうものだと思います。また、震災関連死を調べていくと、希望を失うことがその原因としてあげられてました。これは自然災害と異なることだと思います。そして、事故を調べてみると、あれが最悪なのではなく、亡国へ至る寸前まで来ていたことがわかりました。このようなことを踏まえて、今後のエネルギー政策を国民が考えなければならないと思います。
これからの日本人がいかに生きていくべきか、南相馬市の桜井市長が語られたとおり、福島原発事故前と後で、同じではダメだと思い、これからの生き方を皆さんと一緒に考えていけたらと思います。